ノイズ対策の定番、シールディング作業をご紹介します。写真は当工房のモデル"Sol"作業時のものです。
音の信号が通る部分を、電気が通る素材で覆いそれをアースに落とすことにより、外来ノイズをシャットアウトしてしまう(アースに落とす)作業です。
ボディの裏側。作業前のコントロールキャビティ。
キャビティの淵にぐるりと銅箔テープを貼ります。
最終的にする『蓋』と、キャビティ内をしっかりと導通させる『橋渡し』をしてくれます。
先に貼った銅箔テープにかぶるようにキャビティ内に『導電塗料』を塗ります。導電塗料とは電気を通す塗料です。
ピックアップ側のキャビティも同様です。
これで電気の通る受け皿は出来上がり。あとは蓋をすれば電気の通る『箱』になり、ノイズをシャットアウトしてくれます。
それぞれの『蓋』部分に銅箔テープを貼ります。
配線も済ませるとこのような感じになります。
最近では比較的安い価格帯の楽器でもシールディングされていますが、『アースに落とす処理』『音の信号が通るパーツ端子の処理』が不十分でトラブルになっているケースも多く見受けられます。
シールディングされているはずなのにノイズ多いなぁという場合は、ご相談ください。
今回は、ピックアップのシールディングも行います。
カバードタイプのハムバッカーや、テレキャスターのネック側ピックアップ、リップスティック等…金属製のカバーで覆われているものは、ピックアップ自体に元々シールディング効果があります。
しかしP-90や、ストラトタイプ、ジャズベースタイプ、プレシジョンベースタイプ等、プラスチックカバーのものは外来ノイズに対して無防備です。(メーカーによっては、あらかじめシールディング処理しているところもあります)
シールディング処理すれば外来ノイズに対しては有効ですが、高音成分がやや抑えられてしまう傾向にあるようなので、考え方は様々あると思います。
先ずは上面を銅箔テープで覆います。
次にコイル部分をぐるりと巻きます。底面は金属プレートで覆われているのでそのままでOKです。
最後にそれぞれをつないでアースに落とせば作業完了です。写真撮り忘れましたが、ポールピースもアースに落とします。
個人的には、ピックアップのシールディング処理、ぐっとノイズが減るので好きです。
ノイズにお悩みの皆様、いかかでしょうか?