前回のブログからすっかり時間が空いてしまいましたが、リペアセール期間もたくさんの方にご利用いただきましてありがとうございました!
6月中は我が家の子供たち(小一と幼稚園年中)の運動会もあり、お客様には工房にお越しいただく日程のスケジュール調整にご協力いただきまして、ありがとうございました。月に運動会が2回あると予備日も含め2回土日の予定が埋まってしまうのでバタバタでした…!
そんなセール中にお預かりしたネック折れ修理のレポートです。
お持ち込みいただいた時の様子。うちではないところで一度修理したらしいのですが、使っているうちに再度割れてしまったようです。
補強にまさかのホームセンターで売ってるような丸棒が使われていました…力のかかるところには普通使わないです。
塗装のタッチアップ(?)も筆でぐしゃっとした感じで、どゆこと?という感じです。
何はともあれまずは割れ部分を閉じるように接着。我の奥までしっかりと接着剤が入るようにシリンダーや空気の圧を使って作業します。
その作業中は手早く行わないといけず、つまりすごく必死なのでこの写真はクランピングした後の写真になります。
ピシャッと閉じました。
丸棒補強を無効化するように新たな補強を入れていきます。ヘッド裏のブランドロゴが消えてしまいますが、お客さまの御了承を先にいただいています。
補強材を接着。
強度アップのためボリュート有り仕様にしました。割れ部分を縦断するように補強材を接着しているので弦を張った時にしっかりと効いてくれるのです。
塗装のタッチアップへ進みます。補強部分の木の色味と木目の方向が違うのでこのままシースルーのワインレッドで着色すると違和感が出てしまいます。今回は補強部分の木目を塗りつぶした上でぼかす方法でタッチアップしていきます。
元のマホガニーの濡れ色に調色した塗料を吹きつけ。
シースルーのワインレッドに調色したものをその上から吹き付けていきます。その後クリアを吹き付け、バフがけ。
木目が見える部分とタッチアップしたところの境目はこんな感じになります。
これくらい近づくと境目わかりますね。
ヘッド側はこんな感じです。
補強部分の木目を潰すタッチアップはこんな感じになります。
ヘッドトップのタッチアップ、作業前。
作業後。
ナット、サドル交換、フレットする合わせも行い、万全な状態にセットアップしました。
しばらくチューニングしたまま様子見、問題なかったので無事ご返却となりました。
思い入れのあるギターとのことで、また沢山弾いてあげてください!
ご依頼ありがとうございました。